東 浩紀
河出書房新社(2013年)
少女は孤独に未来を夢見た……亡国の民・日本人の末裔のふたりは出会い、人類第2の故郷・火星の運命が変わる。
壮大な物語世界が立ち上がる、渾身の恋愛小説。三島由紀夫賞受賞第1作。
長いあいだ戦争を忘れ去っていた人類。
だが、異星文明の遺構であるワームホールゲートの発見で、状況は一変する。
地球-火星間をそのゲートで直結する計画が浮上し、火星はいま、激動の時代を迎えようとしていた。
2445年8月、11歳の少年、葦船彰人は、クリュセ低地の開星記念堂で、16歳の少女、大島麻理沙に出会い、恋に落ちた。
ふたりはやがて、時代の奔流に巻き込まれてゆく……
「彰人くんが選ぶなら、それが運命だったんだよ----わたしたちの」